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2024年1月 9日 (火)

舟唄

風呂につかりながら、サブスクで八代亜紀さんを聴く。

この年になってあらためて思うのは、八代亜紀さんていい声だなぁ。

”なみだ恋” 夜の新宿 裏通り・・・

今は亡き我が親父殿は、晩年八代亜紀さんの大ファンだった。

たぶん僕が拓郎!って大騒ぎしてたのと同じくらいの八代亜紀ファンだった。

「カカァ質に入れても、絶対見に行く!」と息巻いていたのだが、終ぞコンサートに

行かずじまいであの世に行った。

当時は、カラオケだけのレコードって言うのがあった。八代亜紀さんの曲ばかりを集めた

カラオケ集なんてのがあって、それを買い求めたおやじ殿、当時は結構高かったSONYの

ZILBAPなるでっかいラジカセとレコードプレーヤーを買い込み、おまけにいろいろと

ミキシングマイクなども買い込んだ。通販などないので知り合いの電器屋から

取り寄せたんだろうか?とにかく、親父殿の部屋は、ちょっとしたカラオケルームと化した。

仕事から帰ってくると、うがいをしていきなりマイクを握る。

よ~るぅのぉしんじゅぅくううう とちょっと音程が定まらないいのはご愛敬。

まぁそれでも、余興の場で歌えば、拍手は貰える程度には歌えていた。

しかし、ちょっとでも部屋の外で騒ごうものなら、いきなり扉を開けて憤怒の表情で

怒鳴り散らす。わかったよ、静かにしてやるよ。

親父殿が逝ったあと、遺品整理をしていると、そのころに録音したテープがたくさん出てきた。

インデックスに八代亜紀集みたいなことがいっぱい書いてある。

本当に、八代亜紀に惚れてたんだなとしみじみ思った。

時は流れて、八代亜紀の歌に再会する。

僕が憧れているのは、吉田拓郎と高倉健。その健さんの映画「駅station」を見た。

舟唄である。ヴォルガじゃないよ、ただの舟唄だ。

倍賞千恵子と健さんが、増毛の小料理屋でテレビを見てる。おかみさんと吹雪で船待ちの

客が大みそかの夜、テレビを見ながら、酒を飲む。小さなテレビから八代亜紀さんが歌声が

流れてくる。

お酒はぬるめの燗がいい・・

吹雪で雪に覆われた街の一角の小料理屋で、舟唄が流れる。いいシーンだった。

その舟唄と健さんに憧れて、真冬の増毛から雄冬の旅に出た。

倍賞千恵子さんみたいなおかみさんには縁がなかったし、舟唄も聞こえない。

まっ、酒は飲めないんで小料理屋など縁がないんだもん。

だけど、舟唄はしみた。悲しくさせるとも違う。喜ぶのとも違う。

”気分”が穏やかに溶けていく。時間の流れに左右されずに、体の中のどこにあるのか

知らないけれど、確実に心に気分が溶けていく。

拓郎でいえば、マスターのひとり言みたいなもんだ。

 

八代亜紀さんの歌声が風呂場に響く。

その歌声はいろいろな思い出を僕の中から引きだした。

聞いていて、親父殿の憤怒の表情が蘇る。あれは真剣だったんだな。

真剣に八代亜紀さんに酔いしれてたんだな。

あの時は騒いでたのは、面白がってふざけてたんだよ、親父殿。御免。

 

お酒はぬるめの燗がいい・・・

いや、僕は炙ったイカだけでいいです。

 

フォーエバー 八代亜紀さん。

 

 

 

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