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2020年6月 2日 (火)

ペニーレインでラスク

先日、またの機会にと中途半端だったペニーレインの件。

せっかくなんで、思い出話として。

 

初めてビートルズのレコードに、針を落としたのは中学3年だった。

同級生のポールもしくはフランケンというニックネームの「タケミ」から

ラバーソウルを借りたのが最初。

タケミは大きな目が垂れていたのでポール、でもちょっと見方を変えると

フランケン・シュタインみたいだったので、いつもはフランケン、時々ポールと

僕は呼んでいたし、みんなもそうだった。でも、”タケミ”って呼び方もしてたので

どれが一番多かったのか忘れた。タケミは名前だ、苗字ではない。

そのラバーソウル。なんかよくわからなかった。それほどビートルズとか

好き嫌いと云うより興味なかったしね。ただ、タケミは何か知らなかったが

結構好きだったらしく、何枚かビートルズのLPを持っていた。確かその時も

邦楽のLPを借りたくて遊びに行って、ラバーソウルを押し付けられたんだと思う。

家に帰って、兄貴のテクニクスで聞いたけど、素敵な歌だという認識はあったかもしれないが

タケミみたいに買おうとかは思わなかったね。大体あいつは僕より英語ができなかったのに

これ聴いてわかってたのかな?

その後、姉貴が買った陽水の二色の独楽を聞いて、陽水っていいなぁ、素敵だなと思い

タケミに言うと、氷の世界を貸してくれた。タケミの部屋には、楽器も何もないのに

やたらレコードはあった。たしか・・・拓郎さんのはなかった。

そして、陽水がビートルズから影響を受けてたってのを後で知り、なるほどタケミの部屋に

ビートルズと陽水のLPがあったのが理解できた。僕が拓郎さんにどっぷりはまるのは、もうちょっと後だ。

この頃はまだ、「悲惨な戦い」と「尾崎んちのばばぁ」、「黒いカバン」なんかが愛唱歌だったしね。

それに、気が付いたらビートルズ自体がもはやなかったし、その後もビートルズとは疎遠だ。

 

正直「ペニーレインでバーボン」ってタイトルも、ピンとこなかった。

ペニーレインが何なのか知らなかったし。いや、拓郎ファンだからお店だってことは

知ってましたよ、そりゃね。「ペニーレイン」ってどういう意味?ってことですよ。

 

高校に入るとタケミとは会うことも無くなった。僕は陽水拓郎よりもキャンディーズと

リリーズの方が気になっていた。そんな毎日の中で、リバイバルの映画を見た。

「小さな恋のメロディー」っていう奴だ。知ってるよね。

姉貴なんかに連れてってもらたんだと思う。

あれが、生まれて初めてのカルチャーショックだったと、今でも思う。

僕の知ってる世界ではなかった。ロンドンの風景は、異次元に見えた。

そしてそこに繰り広げられたラブストーリーは、なぜか10代半ばの僕をわしづかみにした。

メロディのトレーシーちゃんがロンドンの街を、散歩する。

街を片手に散歩する。あそこにいたいと思いました、正直。

そのころ、覗いた本屋さんで偶然見つけたのが、イギリス留学のススメだったか何とかだったか

忘れちゃったけど、とにかく結構気軽に行ってみよう的な新書版の本だった。

まぁ、ちょうど高校生、思春期ですよ。おまけに、変わり者だから、僕は。

行きたくなったんだね。行けばメロディフェアが待ってると思ったからね。

それで、高校を出たら行こうと決めまして、お金を貯めようと。

だから、もしかしたら、僕は「ペニーレイン」を歩いたかもしれないし

アビーロードの横断歩道を渡っていたかもしれない。それは、観光ではなくて日常としてね。

まぁ結局その後、グチャグチャしたことが多々ありましてね。

あっ、でもとある語学学校みたいなところに願書を出したら、返事が来ましてね。

いついつ面接に来いと。指定の期日に行ける分けねぇだろうと毒づいたのを覚えてますな。

とにかくそんなことを画策するうちに、そりゃあなた思春期ですからね、いろいろあります。

そこで、深夜放送で聞いた祭りのあと、まにあうかもしれない、花嫁になる君にで完全に

拓郎が僕のハートをわしづかみ。そして、今に至るまで、それが継続中というなんと悲しいお話。

 

先日、物置を片付けてるって話は書きましたっけ?

小さな恋のメロディのサントラ盤が出てきましてね。

懐かしくなってねぇ、この中には、思春期の僕がいると。

それで思い出しというわけです。

ペニーレインを歩くこともなかったけれど、ペニーレインでパンでも食べよう。

アビーロードの横断歩道は渡ることはなかったけれど、色褪せなかった4人の看板の下でね。

そんな気分で、行ってみようかなと思ったのです。

ペニーレインには行かないではなくて、ペニーレインに行ってみよう。

しかし、寝坊しちゃぁね・・

 

タケミの家も取り壊されて、マンションが建ってから久しい。

いまもどこかで、ビートルズをたまには聞いているんだろうか?

ラバーソウルは、カビが生えていないか?

 

君だってあるだろう、そういう色褪せてない思い出が。

そいつは捨てない方がいい。

 

 

 

注)若干の、ほんの少しのフィクションを加えました。

 

 

 

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