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2019年6月15日 (土)

梅雨と拓郎さんとひつまぶし

国際フォーラムの前を晴海方向に高架をくぐると鍛冶橋交差点に至ります。

今の時期、地方から中学生と思われる修学旅行生がこの交差点をにぎわします。

詳しくはわからないけれど想像するに、東京駅に新幹線で到着して、歩いて

鍛冶橋を渡ったところにある観光バスの発着所に向かうと思われ、ガイドさんの

掲げた号車が示された旗に連れられて、行儀よく信号待ちをしております。

顔を見ると、まだ幼くて中学3年生には見えない。ひょっとしたら修学旅行ではなくて

ただの社会見学かもしれない。僕らのころは、中学3年の春に修学旅行に行ったけれど

今は、受験とかで早まっているのかな?どうなんでしょう?

 

とにかく、男の子は白いYシャツに黒の学生ズボン、髪型は丸刈りあり、ほどほどの坊ちゃん刈りなど

様々であります。女の子のは、白いセーラー(夏服でしょうな)に紺の長めのスカート。

自分の中学生時代とさほど変わらない雰囲気に、ほっとします。

そして、ここだけは自由なのか、様々なリュックを背負い東京を回るバスへと向かっていくのです。

 

僕は、この後、大体車で目白・新宿・渋谷と回ります。

新宿から渋谷へ明治通りを移動するのですが、途中原宿は毎日がお祭り。

ラフォーレから竹下口のあたりは、平日でも人であふれかえっています。

銀細工のアクセサリーを売るお店の行列や、ローストビーフの店の行列

およそ、行列好きな人々。雨の中でも傘をさしてじっと自分の番を待つのですね。

そういやぁ、ペニーレーンはどこだったっけ?

「ペニーレーンでバーボン」で原宿を知り、バーボンて名前を知り、初めて訪れた時は

表参道とか神宮前などの地名に、それだけで興奮した遠い昔がちょっと気恥しい。

 

そんな「東京人」みたいな顔をした群れの中を、東京駅鍛冶橋交差点で

行儀よく信号待ちをしてたような子供たちが、3~6人くらいのグループで

幼いながらも緊張した、でもそれを悟られまいとちょっとこわばった笑顔を

作りながら、泳いでいます。こっちのグループはクレープの店で原宿の味を。

こっちのグループは、ちょっと疲れたのか立ち止まって相談中。

きっと彼ら彼女らの目には、すべての人が都会人に写ってるんだろうね。

でも安心しな。すましておしゃれして、目の前を通り過ぎていく藤田ニコルみたいな

女の子も、男性ファッション誌を丸ごとまねたような兄ちゃんも、君らと

そう変わらないよ。きっと、ちょっと前までは君らとおんなじ目をして竹下口で

クレープに舌鼓を打ってたはずだ。そして、彼ら彼女らもきっとすぐに、原宿が

懐かしいと思うようになる。時がたってしまうのは、君たちが乗ってきた新幹線より

もっと早く感じるはずだ。

残念ながら僕はこれから大阪に行く予定はない。

きっと君らのことも、会社に帰れば忘れちゃうに違いない。

でもさぁ、君らから、なんか大切なことを思い出させてくれたよ。

 

僕は、あの子供たちのころから、ずっと吉田拓郎を意識してきたんだな。

きっと、初めて原宿に来たときは、君らみたいな目をして竹下通りを歩いたんだな。

あまりに長い年月なのに、なんでこんなにあっと言う間なんだろう?

あの頃、まさか自分がこんな年になるまで、拓郎さんが歌っているとは

思いもしなかったし、想像もしなかった。

だけど、現実だよね。

なんだかんだ言っても、きっとコンサートが始まれば屁理屈は吹き飛ぶ。

73の吉田拓郎が、73の現実を披露している。

そこに、評論家はいらないはずだ。批評などもってのほか。

有難がりはしないけど、きっとファンであり続けさせてくれたことに

感謝するに違いない。

一番大切なのは、歌い続けてきたって事と、聞き続けたこと。

そこに、なんか理由付けしようとしても無駄なことだし意味ない。

好きなことに理由はないんだから。

 

子供たちは、原宿を探検した後、宿に戻るだろう。

最終日はTDLでミッキーやミニーやらの被り物を買って

東京バナナを土産に帰るのだろう。

ねぇ、君たち!

お父さんかお母さん、ひょっとしたらおじいちゃんかおばあちゃんから

なんか頼まれて忘れてることないかい?

そうだよ、現在のペニーレーンの写真を撮って来てねって、あれだよ。

 

 

 

 

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